- 光熱費の一元化が可能
ガス熱源を建物に引き込まないので、基本料金を電気に一本化でき、ガスの基本料金を無くせます。建物新築時にはガス配管の敷設が不要となり、マイコンメーターやガス警報器といった安全装置を設置しなくても良いのでコスト減となります。
- 災害時の復旧が早い
東日本大震災などの震災を経験し、インフラが災害でダメージを受けた場合のライフラインの復旧は、電力が最も早いことがわかりました。水道やガスは電気に遅れて供給が開始されています。
オール電化であれば、電気の復旧は熱源の復旧と同じですから、照明だけでなく暖房や調理熱源の復旧も可能となり、「災害に強い」と解釈できます。
- 火災に対する安全性が高い
オール電化住宅の場合、キッチンコンロはIHクッキングヒーターになります。IHクッキングヒーターは炎が発生しないため、衣類への着火事故を低減できます。室内で炎を燃焼させないため空気汚染を低減し、二酸化炭素の発生量を抑えられるというメリットも得られます。
炎の直接的な危険性として、ガスを使用したキッチンコンロは、炎が衣服の袖口などに引火して腕まわりを火傷するという事故の発生が懸念されます。オール電化であれば、そもそも炎が存在しないので火を原因とした直接的な事故を防止することが可能です。ただし、火は使いませんが鉄やステンレスの鍋などに対して炎で熱したのと同等の熱量を調理器具に与えています。熱せられた調理器具に触れたり、可燃物が接触すれば火傷や発火のおそれは十分考えられます。気付かずに調理対象が異常過熱すれば、発煙や発火の危険性がありますので、絶対的に安全とは言い切れません。
オール電化住宅の場合でも、ガス併用住宅の場合であっても、調理対象の加熱による事故の危険性は残ります。オール電化住宅が火災に対して絶対的に優位であると慢心し、注意を怠ってはいけません。。
- 調理器具の清掃が容易
オール電化住宅で使用するIHクッキングヒーターは、従来のガスコンロのように、コンロまわりの汚れや、ガス燃焼のために空気が汚れることがないので、キッチンまわりを比較的清潔に保てます。また、IHクッキングヒーターは平面的な形状のため、調理後の清掃が簡単です。
最近のガスコンロもかなり平面形状に近付いており、清掃しやすさも向上していますが、コンロが存在しないという点は強く、清掃の容易さではIHクッキングヒーターが一歩先を行っています。なお、調理によって発生するレンジフードや換気扇の汚れについては、ガスコンロであってもIHクッキングヒーターであっても、調理対象の脂分などによって発生しますので、比較することは困難です。
- 住宅内に熱源を持たない
オール電化の場合、ガス熱源と違い住宅内及び周辺に燃料を持ち込むことがありませんので、安全な熱源システムと言えます。ガスを使用した住宅の場合、住宅内に都市ガスやプロパンガスが敷設されていますので、ガス漏れの心配や不完全燃焼による一酸化炭素中毒の心配などを考慮しなければいけません。
熱源となる電気は電力会社で管理されていますので、付近に燃料が存在することの危険性を気にすることがありません。ガス漏れによる引火の危険性などが無くなり、より安全な生活を実現できます。
- 室内の空気が汚れない
オール電化住宅では、調理器具はIHクッキングヒーターなどが使われるのは前述の通りです。住宅内でガス燃料を燃焼させないため、室内空気が汚れることがありません。室内の二酸化炭素の増加や、不完全燃焼などの心配から解放されるのも利点の一つと言えます。
- 貯湯タンクにより災害時でもお湯を利用可能
貯湯タンクを住宅内に設置していますので、災害時の雑用水として水やお湯を利用できます。ただし、貯湯タンクは内部の汚れによる衛生面の問題があり、タンクに貯蔵された水をそのまま飲用にできません。手洗い用や入浴用、トイレ洗浄用など、雑用水として使用するのが原則です。
- オール電化契約による電気料金の削減が可能
生活時間帯が深夜電力利用重視のスタイルであれば、電力会社との契約をオール電化住宅に特化したメニューとすれば多大なメリットがあります。オール電化住宅で採用される電力の契約メニューは、深夜の電気料金を非常に安く使える契約体系であり、一般的な従量電灯契約と比べ半額以下になります。
この時間帯に使う電気は、電気温水器だけでなく全ての電気機器が対象です。電気料金が安くなるので、洗濯機や乾燥機、IHクッキングヒーターなど大きな電力を必要とする家電を夜間に利用する生活スタイルであれば、大幅な光熱費の削減を行えます。
- 太陽光発電システムのメリットを最大限に利用可能
太陽光発電システムを併用すれば、昼間使用する電力のほとんどを太陽光パネルからの発電でまかない、夜間は安価な電力を使用できるため、最大限の省エネルギーが可能です。従来と比べて、電気エネルギーの消費を約80%低減できるとされています。
太陽光発電システムを併設したオール電化住宅では、夜間の安い電力で電気温水器やエコキュートなどに貯湯・蓄熱し、昼間の高い電力は太陽光発電システムによってまかなうという、電力消費としては非常に理想的な生活スタイルを構築できます。
昼間にあまり電力を使用しなかった場合でも、電力会社は夜省電力の買い取りをしてくれます。太陽光発電システムによる余った電力の買取単価は、オール電化住宅契約の場合従量電灯契約よりも高く設定されますので、太陽光発電の償却期間の低減をより短く設定できます。
数多く利点のあるオール電化ですが、十分なシミュレーションが不可欠です。
光熱費シミュレーションを行い、メリットが得られるか導入前に検討しましょう。
オール電化に興味がある、オール電化導入を検討している、という方の参考になれば幸いです。